肩の痛みの一つに”上腕二頭筋長頭腱炎”と言われるものがあります。
上腕二頭筋とは、いわゆる「力こぶ」の筋肉です。
この筋肉は名前の通り二つに分かれており、肩甲骨の出っ張りから前腕(肘と手首の間の骨)の頭骨に付着します。
二頭のうち一側は長く、これを長頭と呼びます。筋肉はやがて腱に変わり骨に付着します。
上腕二頭筋長頭は上腕骨(腕の骨)の結節間溝と横上腕靭帯からなるトンネルを通ります。

上腕二頭筋長頭腱炎は野球の投球動作、テニスのサーブ、バレーのアタックなどオーバーハンドスポーツをされるアスリート、腕を使うトレーニング、重労働をされる方に多く見られます。
上腕二頭筋は腕を上げたり肘を曲げたりするときに働きます。その際にかかる、腱とトンネルでの摩擦により、炎症を引き起こします。
その結果、腕の上げ下げや荷物の持ち上げ動作で力を入れた際に腱に負荷がかかり痛みが出ます。
病態が進行すると、慢性化して肥厚したり、腱の断裂を引き起こすことがあるので、注意が必要です。
レントゲンでは腱の炎症や損傷はうつ らないため、徒手テストや、MRI検査、 超音波検査などではっきりさせる事が重要です
早期回復には超音波や微弱電流といった物理療法を行い、炎症を抑え組織の回復をはかることが重要と言われています。
また、手技療法を行い上腕二頭筋をはじめ肩周りの筋肉を緩め、患部にかかるストレスを減らすことも大切です。平行して運動療法を行い、復帰や再発予防のための強化を行います。
その他、症状改善のため医療機器で注射を行うこともあります
上記の治療を4-6カ月間行って症状が改善しない場合は、上腕二頭筋長頭腱を結節間溝の中で固定する手術や烏口突起と呼ばれる箇所へ腱の走行を変える手術の適応となることがあります。
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